2016/07/11

「親に逆らえない」「やりがい搾取」「こだわり自滅」女子学生の就活問題と企業意識の現在

働けば働くだけ右肩上がりで豊かになる幸福な時代はすでに終わっており、夫の稼ぎだけで暮らしていける家庭は今や一握りにとどまる。多くの女性にとって労働が一生の問題になる中で、「女性の就職」について企業側、そして当の女性たちの認識、価値観はどう変わっているのか。
 『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)等、就職に関する書籍を多数執筆し、学生の就職を長年現場で見てきた石渡嶺司氏に、近年の女子就活事情と入社後に直面する職場問題について話を聞いた。
■女性登用は不人気業種から進んでいった
――1986年に男女雇用機会均等法が施行されましたが、著書『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』によると、現場レベルで男女の雇用が均等になったのは2000年前後から、とあります。企業において女性登用はどのように進んでいったのでしょうか。
石渡嶺司氏(以下、石渡) 2000年以前から、流通・小売、IT、ベンチャーなどでは女性採用、登用が進んでいました。理由は、単に不人気で男子学生だけでは採用しきれなかったからです。その典型がリクルートです。今でこそ大手企業ですが、1980年代以前はベンチャー企業であり、当時入社した女性管理職に話を聞くと、「女性が活躍できそうな職場は公務員か、リクルートくらいしかなかった」そうです。ほか、女性消費者に接することの多い化粧品・日用品も1990年代頃から採用、登用が進みます。
 2000年以降になると、食品メーカーや自動車販売でも女性の採用、登用が進みます。食品は化粧品や日用品同様に女性消費者と接点のあるビジネスです。自動車販売も、従来車の購入は男性の意見一辺倒でしたが、家族で乗るものという意識の変化が生まれつつあり、女性、主婦の意見が強くなったという背景があります。