2016/08/26

なぜ私たちはベンチャー企業を選んだのか 内定者座談会

 2017年卒の就活では、従業員数5千人以上の「大企業」を志望する学生の数は8万3400人と、16年卒の6万9800人から19.5%増えた(リクルートワークス研究所調べ)。一方、大手企業の内定を持ちながら、あえてベンチャー企業を選ぶ就活生もいる。なぜ彼らはベンチャーを選ぶのか。内定者座談会の後編では、ベンチャー企業に就職を決めた学生が本音を語った。

定年後に何も残らないのが怖い
――大手志向が強まる中で、どうしてベンチャー企業を選んだのですか。

 A君(首都圏私立大) 「先輩を見ていると、安定志向の人が有名企業に決まって、優秀だと思っていた人がその子会社に決まったりしている。結局大手は会社への忠誠度を見ているのかなと。それを確かめるために大手商社の面接も受けました。面接で『最初は書類整理をすることになるがどうする』と聞かれて、拒否したら落とされました。やっぱり違うなと思いました」

 川守田明さん(東洋大) 「ストップウオッチで時間を計られて終了という面接がありました。それで落ちてしまったのですが、納得できず人事に問い合わせたら復活できたことがありました。その対応もどうかと思うし、もし採用されたとしても同じような扱いを受けるのかなと」

――大手企業への違和感がきっかけになっているんですね。

「さまざまな社員と話して、仕事の価値観を共有できた」と語る川守田明さん
 土方正和君(埼玉大学大学院) 「僕は理系の大学院生ですが、周りは大手志望がほとんどです。自分も今年の春まで大手志望でしたが、選考では社内SEをやってくれと言われてました。たとえ技術者でも、セクションに限られずに働きたいので大手企業の選考はやめたんです」

 Bさん(関西圏公立大) 「大企業の社会人って楽しくなさそうじゃないですか。私のイメージでは、言い方は悪いですが『檻(おり)に入れられる』ようなものでした。周りは大手志向が多かったのですが、安定志向やブランド志向に共感できませんでした。そこでベンチャー企業を見てみようとなりました」

 河内延紘君(中央大) 「僕の場合は、違和感というのではありません。実家が食品関係の同族企業で、それを継ぐプロセスを考えた時にベンチャー企業で働いた方が短期間で様々なことを吸収できると考えたからです。内定先にもそのことを話していますし、5~6年働いて家業を継ぐ予定です」

――大企業のメリットは捨てがたいものがあると思うのですが。ご家族は反対しませんでしたか。