2016/06/17

内定まだ……意外に多い「就活第2グループ」の苦悩

大手企業の面接が解禁された。売り手市場といわれ、内々定を獲得する就活生も出てきた。先頭集団が次々とゴールする一方で、後続組に異変が起きている。就活生の気づかない、意外な落とし穴を就活探偵団が探った。

取り残される「第2グループ」
 「他社の内定は取れていますか」「……まだです」

 6月1日の選考解禁から数日たった都内の面接会場。新卒学生の採用面接を担当したある企業の中堅社員は、意外な思いを禁じ得なかった。エントリーシートに記された出身大学は、一流大学ばかり。業界他社の選考状況を聞いてみると、ある程度は進んでいるようだが、ほとんどの学生は「内定なし」と答える。「報道されていることと違うじゃないか」(同社員)

 就職情報会社のディスコ(東京・文京)が発表した2017年春卒業予定の大学・大学院生の就職内定率は、1日時点で54.9%と高水準だ。企業のフライング採用活動によって内々定を獲得した学生が次々と現れた。「スピード内定組」である先頭集団は大きく就活でリードしているようだ。

 しかし、マラソンでも同じように、ボリュームが大きいのは「第2グループ」。彼らはついてきているのだろうか。都内の有名私立大に通う男子学生は、食品メーカーを志望し、大手企業を中心に受けてきた。しかし数社の選考からは既に落ち、「間口が広がったという実感がない」と漏らす。「むしろ間口を広げなくてはいけないのはこちらかも…」という。

オフィス街を歩く就活生(東京・丸の内)
 既に1社から内々定を獲得した都内私立大の女子学生もまだ就職先を決められずにいる。「売り手という実感はない」と疲れ気味の表情だ。別の女子学生は「自分は何とか内々定を取れたけれど、友達の間では取れた人とそうでない人が半々くらいだ」と話す。

 水面下で選考を済ませて早々に内々定を手に入れたグループがいながら、なぜ選考が思うようにいかない就活生がいるのか。探偵団の取材の結果、大手企業は面接が解禁される6月以前から「面談」などと称して優秀な学生を先行して囲い込んできた。これが先頭グループだ。これに続く面接解禁後に選考が始まった第2グループの就活生に対して、企業側の採用事情の影響が表面化しつつあるようだ。

数より質で厳選採用
 背景の一つが企業が数よりも質を重視し始めている点だ。確かに景気回復もあり、この5年間で年間の新卒の就職者数は2割増えた。その一方で「厳選採用」の傾向は強まっている。採用計画数の達成のために何が何でも学生の数を確保するのではなく、優秀な学生を採用できれば選考を打ち切るやり方だ。

 人手不足が深刻な建設業界。新卒採用者数を増やして人手の確保を図ってもおかしくない。ところが、大手ゼネコンの採用の現場の声は、業界の活況とは正反対の冷静な声だった。