2016/10/27

日本企業が「留学生採用」で逃した優秀な中国人

10月上旬、国内の主要企業が2017年入社予定の大学生らを集めて内定式を開いた。今年は説明会解禁から面接開始まで3ヵ月と短縮されたが、企業の採用意欲は強く、昨年に続き、今年も学生にとって「売り手市場」が続いたことが印象に残った。私はテレビの内定式のニュースを見ていて、今から約1年前、中国のSNS(交流サイト)・微信(ウィーチャット)から1本のメッセージを受け取ったことを思い出した。

 「中島さん、 私、やっと合格しました!! ついに日本企業の内定をいただくことができたんです!○△○□(大手金融機関)です!」

 微信の画面から小躍りして本人が飛び出してきそうなハートマークいっぱいのメッセージ。そう、これまで何度か取材で会ったことがある中国人女性の汪莉だ。「やった!よかったね!」。返信を打ちながら、私もうれしさがこみ上げてきた。彼女が日本企業の内定を得るまで苦しんできた姿をずっと見てきたからだ。

「海外採用」と「留学生採用」

 内定先は日本を代表する巨大企業グループで、採用人数は約900人。日本人でも一握りの優秀な人材しか内定を得ることができない会社だ。彼女はそこに数少ない外国人社員として正式に採用された。

 正確にいうと「海外採用」の外国人だ。多くの日本企業は国内の大学に通う外国人留学生を、日本人と同等の条件で同様の手順でふるいにかけて採用しているが、彼女の場合、海外(中国)から受験して採用された「特別枠」だ。その数、わずかに10人以下。狭き門をくぐりぬけた上で採用されただけに、喜びに満ち溢れている様子が目に浮かんできた。

 昨今、外国人を採用する日本企業がじわ