2016/12/13

日本の学生は、世界的にみると特権的立場だ 「欧米型就職活動」の安易な導入が危険な理由

日本の就職活動は、いまだに新卒採用が主流だ。多くの学生が同時期に就職活動を始め、在学中に就職先を確保し、卒業後の4月1日に入社する。特定のポストに応募するのではなく、入社した後、会社から仕事が振り分けられるというシステムである。

新卒採用は学生に対して「甘い」システム

しかし、新卒一括採用は硬直したシステムとして批判されることも多い。「学業の妨げになる」「画一的すぎてやり直しがきかない」「就職後のミスマッチが多い」といった指摘だ。実際、厚生労働省の統計によれば、2014年の新卒就職者のうち12.2%が1年以内に、2013年卒の31.9%が3年以内に離職している。高い確率でミスマッチが起こっていることからも、新卒採用に欠点があることは事実だろう。

そういった欠点を踏まえ、「日本でも欧米型の雇用を!」と提言する声もある。この欧米型とは、一般的に、「採用の時期を限定せず、専門特化型の人材を決まった職種で採用する」システムのことを意味する。確かに、新卒採用に欠点があるのは事実だし、グローバル化する世の中では、欧米の「スタンダード」な就活システムを導入するメリットもあるだろう。

だが、企業が即戦力を求めず、ポテンシャルを評価してくれるからこそ、専門知識も経験もない学生が「就活」というステージに立つことができるという点は見逃せない。実力を求められない新卒採用は、ある意味、学生に対して「甘い」システムでもある。もし欧米型採用制度が主流となれば、ポテンシャルで勝負していた日本の学生は、欧米の学生と同じように、実力主義の土俵で戦うことができるのか。それは、ハッキリ言ってNOだろう。