「内定者逃げないで」つなぎとめに必死の企業

7月から8月は、企業の人事担当者には苦労が絶えない時期である。マイナビの調査によると7月末で複数の内定を持っている就活生の割合は56.2%。半数以上が内定辞退をする計算だ。つまり、企業が選考を繰り返してやっと内定を出したものの、内定辞退が続出する事態になっている。人事担当者にとっては、上司や担当役員に叱責された上に、自分の査定に響くこともあるだろう。

 いかにして内定辞退を食い止めるか。その打開策として各社が工夫をこらす「つなぎとめイベント」に注目が集まっている。

AKBライブに内定者を招待

 8月10日、アルバイト求人サイトを運営するディップの内定者は千葉県の幕張メッセに集合していた。AKBグループのアイドルが登場する「バイトルAKBスペシャルライブ」を見るためだ。参加者は全国から集まった50人ほど。ライブは大盛り上がりで、参加した内定者も興奮した様子だった。

 AKBライブという景品で内定者の心を釣っているだけではないのか。その疑問に対してディップ人材開発室の亀井雄紀リーダーは、「AKBライブという強いコンテンツで興味を持ってもらいたい意図はありますが、単なる客寄せに使っているわけではないです」とさわやかに否定された。「こうした大規模なイベントを企画運営するようないい会社から内定をもらえたと認識してほしいためです。内定者間で共通の体験をしてもらって連帯を深めてもらえることも狙いです」と説明する。ライブ後に開催した飲み会は、通常の懇親会よりも盛り上がったという。