就活市場のブルーオーシャン?~発達障害の採用に迫る~

こんにちは。新卒WATCHインターンのヒナです。
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皆さん、発達障害ってご存知ですか?
近頃メディアで取り上げられることが増え、聞いたことがある人も多いと思います。
新卒WATCHをご覧の皆さんの中には、平成28年4月に新たな障害者雇用促進法が施行されたことで初めて知った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、聞いたことがあるとはいえ、まだ漠然としたイメージしか掴めていない方が殆どだと思います。だからこそ、採用に踏み切る前に「そもそもどんな特性があるの?」「どういったサポートをする必要があるの?」といった点で悩む方も多いのではないでしょうか。

けれど、実は発達障害の方達は、企業側のちゃんとした理解やサポートさえあれば、とても優れた能力を発揮できるんです!

この記事では、現在障碍者雇用で働いている発達障害の当事者の方を取材しつつ、
・発達障害の人のビジネスパーソンとしての強み
・必要な理解と具体的なサポート
・彼らが就活に使うツールと、企業を選ぶ際重視する点
を紹介していきたいと思います!

発達障害の雇用とその強みについて

今日は、広汎性発達障害と診断をされているNさんを取材させて頂きました。

——Nさん、今日は発達障害の当事者の目線から、障碍者雇用について色々聞かせてもらえたらと思います。ちなみに今はどんなお仕事をされているんですか?

Nさん(以下N):勿論です! 今は、金融企業で事務の仕事をしています。
ぜひ私や、私が聞いた他の人の経験について色々お話しさせて下さい

そもそも発達障害って?

——Nさんは広汎性発達障害と診断されたんですよね。ちなみに、発達障害には色々種類があるんですか?

N:そうですね。発達障害の中でも特性毎に名前が色々あって、私はその中の1つで広汎性発達障害と診断を受けました。これはアスペルガー症候群やADHDの両方の特性を持っている障害です。発達障害の中でもアスペルガー症候群は特に有名ですよね。他にもADHDやLDというものもあり、特性はそれぞれバラバラなんです。

概念図
出典:発達障害とは ― 国立障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センター
http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%81%99%E3%82%8B/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%A8%E3%81%AF/

——なるほど!確かに全然特性が違いますね。「発達障害だから〇〇」と見るんじゃなくて、その人の診断名や特性を見ていくことが大切なんですね。

N:そうですね。ただ、基本的にはコミュニケーションや作業の方法で問題を抱えている人が多いな、と思います。

——コミュニケーションや作業の方法ですか?

N:はい。例えばmアスペルガー症候群の人はコミュニケーションが苦手な人が多いし、ADHDの人は集中力が続かなかったりケアレスミスをする人が多い。後、LDの人は「読む」「書く」「計算する」といった特定の作業が苦手ですね。ただそうした自分の弱点は自分で把握していることが多いので、私も就活の時には「〇〇な作業は苦手です」と履歴書に書いたり説明しました

どういった強みが発揮されるの?

——発達障害の特性について、理解できてきました。ところで、発達障害の人の特性って「〇〇が苦手」だけでなく「△△がすごく得意!」に繋がる気がするのですが、そこはどうなのでしょうか?

N:はい。発達障害の人は苦手なことがハッキリしている反面、弱点さえカバー出来れば強みがとてもいかせる人が多いです。皆それぞれすごい苦手なことがあるけど、すごく得意なこともあるんです。

例えば、アスペルガー症候群の人はコミュニケーションが苦手な反面、1人でコツコツ作業することや正確性が必要な業務はすごく得意だという人が多いし、ADHDの人は細かい作業や精度が求められる作業は苦手だけど、積極性や行動力に優れている人が多いです。LDの人も、特定の作業が苦手なだけで、他のやり方を導入したりそれ以外の分野では成果を発揮できます。

——なるほど! 苦手なことさえサポートしてもらって得意なことを伸ばせたら、すごい成果を発揮できる方も多いんですね

N:はい。だからこそ、発達障害の人の得意・不得意への理解が広まってもらえたらな、と思います。

発達障害の人に必要な理解と支援

——ところでNさんは、今の会社でどういった支援を受けていますか?

N:自分が所属している会社はそうした障碍者雇用に力を入れていることもあって、サポートが凄く充実していますね。まず、自分の特性を採用担当の方に話して、それぞれ対応してもらいました。例えば私はアスペルガー症候群の要素が強くて、電話でのコミュニケーションがすごく苦手なんです。なので、基本的には電話対応はしなくてOKにしてもらいました。それと聴覚過敏もあり、周りの作業音や話し声が大きな場所では集中力が切れてしまうので、デスクを周囲の音が聞こえにくい場所へ置いてもらうことになりました。

——なるほど!働きやすい環境を作ったり、苦手な作業をカバーしてもらったんですね

N:そうですね。それと、月1で業務についての面談もしてもらってます。そこで困ったことがあったら相談する感じで。そうした支援のあるお陰で、自分の強みである作業への集中力や正確性が発揮できているなあと感じます

——働きやすい環境が整備されていたら自分の強みが発揮できるし、それは自分にとっても企業にとってもすごく良いことですよね。

N:そうなんです。なので、いつも環境を整えていてくれる弊社には、すごく感謝しています。あと、私は自分の特性でこうした悩みがあったけど、これは人それぞれ全く違うものなんです。だからサポートする際には「発達障害だから〇〇」というよりは、その人特有の悩みにスポットを当ててほしいと思います。

就活で使うツールと、企業に対して重視した点

基本的に求人サイトが中心

——具体的な支援について教えて下さり、ありがとうございます。それでは、現在の会社と出会うまでにどんな就活をしていたのかを教えて頂いても良いですか?

N:はい。私は障碍者雇用で働くことを決めていたので、障碍者雇用に特化している「DODAチャレンジ(https://doda.jp/challenge/)」という求人サービスを使ってましたね。サイトに登録して、担当のエージェントさんと面談をしつつ、じっくり自分に合った会社を探していきました。

——なるほど。ということは、基本的に求人サービスのサイトを用いての就活が多いのでしょうか?

N:私や、他の当事者の間ではかなり多かったですね。それ以外の手段だと、就労移行支援施設という働き方の基礎からを学べる施設に通って就活する人もいるようです。有名どころだと、Kaien(http://www.kaien-lab.com/)という就労移行支援施設を利用している人はよく聞きます。発達障害に特化していますからね

——障碍者雇用に特化した求人サービスの利用や、就労移行支援施設へ通うことが基本的な就活のやり方なんですね。

N:はい。基本的にはその2つですね

就活の際、企業のどういった点を重視したか

——就活する際に重視していた点はありますか?

N:そうですね、主に2つあります。1つ目は発達障害を理解してもらえることですね。発達障害って目に見えない部分で苦手を持つ障害だから、どうしても誤解を受けやすいんです。コミュニケーションが苦手な部分が「すごく不愛想でやる気のない奴」と受け取られてしまうけど、でも本当は誰かに即座に反応することが苦手なだけで、ものすごいやる気があるのに認めてもらえない、とか。

——なるほど。本当にやる気があるのに特性に対しての誤解があると、お互いにとってマイナスですもんね

N:はい。それと、2つ目は作業環境や内容が特性に合っていることですね。さっき言ったような、電話対応が苦手な代わりに集中力や正確性が必要な作業は得意、とか。ただここは、就活の際に自分で見極めることも必要だと思っています。

——そうなんですね。自分でどういった作業環境や作業内容が合っているか、と見極めていくと同時に、企業側からはこちら側の希望をなるべくで良いから受け容れてくれる姿勢があると嬉しいといった感じでしょうか?

N:そうですね。最初の発達障害の理解へも繋がる話ですが、どうしても得意・不得意の差が激しくなってしまう部分へ理解があるとすごく助かります。あと、そうした悩みを相談できる環境があると尚の事ありがたいですね
——そうですよね。それで、いざ自分の得意がバッチリ活かせれば、今度はお互いにとってプラスになりますからね。

取材を終えて

発達障害は、苦手な部分さえカバー出来れば、強みを十分に活かせるという言葉が非常に印象に残りました。障害、という部分だけを見ると、出来ないことや弱点にどうしても目が行ってしまいますよね。

けれど、私はこの取材を通して、発達障害の人たちが、苦手さえサポート出来れば特定の事に関してとても強い力を秘めているというポテンシャルを強く感じさせられました。

段々と世間で認知されつつある発達障害に対して、一足早く、採用という視点を通して見つめてみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人:ヒナ

上智大学にて哲学を専攻。2回生。大学1年次よりITベンチャーで経験を積んだ後に、新卒WATCHのライターに。自身のインターン経験や大学生独自の目線を元に、皆さんに役立てる記事を書けるよう日々奮闘中です。