学生が人事ハウツー本読んでみた!【前編】「求める人物像=コミュ力」は誰も得しない

こんにちは!インターンのマリナです。

よい人材を採りたいという願い。すべての採用活動を貫く、永遠のテーマですね。
株式会社DISCOの調査によると、17卒内定者に対する満足度について、「質・量ともに不満」とする回答が20.6%、「質に不満」が18.4%でした。

今年3月末の時点でも、すでに「苦戦している」との感触が4割を超えています。
母集団の確保もままならぬ以上、「質」は後回しにせざるを得ない企業も少なくないようです。
未充足感を生むもうひとつの原因は、学生・企業間のギャップにあるのではないかと、私は感じています。
その詳細を、採用担当者向けの書籍をもとに探ってみました。

書籍紹介:「採用を変える、組織が変わる」

今回私が読んだ本は、『採用を変える、組織が変わる』(高橋幸生著/エイチエス株式会社/2010年)
採用を経営における最優先事項と位置づけ、企業発展を導く採用活動のあり方を説いた一冊です。

採用によって組織を活性化する。そのために著者が重視しているのが面接です。
前段階としての人物像の設定、見極めの舞台である面接とに分けて、実践的なポイントが示されています。

記事ではこの2つのステップを、前後編に分けて取り上げたいと思います。

「求める人物像」を、学生はどのように受け止めている?

採用のスタートは「欲しい人材の言語化」

採用面接の基本は、欲しい人材を「言語化」することだ。いい人がいたら採用するでは、いい人は採用できない。

求人情報には、多くの企業が「求める人物像」を掲載しています。
よく見られるのが、コミュニケーション能力や向上心といった言葉。どれも社会人として共通に求められる、ベース要素であると言えます。

本ではそれらに加え、「自社がいま、求めている人材」を明確にすることを勧めています。

企業活動の根底にはそれぞれの理念があり、理念にもとづいて戦略や評価が作られていきます。したがって、「褒められる行動」も企業によって異なります。

自社が「褒める人材の特徴」と経営課題が、人物像を定めるポイントです。
浮かんできた要素は、ひとりのキャラクターとして具体的に言語化していきます。採用を始める際には、この作業がまず必要だとされています。

企業の理想に「寄せていく」学生

企業選びの段階で「求める人物像」をチェックする学生は、ほとんどいないと言ってよいと思います。
いつ見るのかというと、選考に向けた対策を練るタイミング。「企業の求める人物像に自分を合わせる」というアドバイスによる行動です。
例えばリーダーシップと書かれていれば、その資質が伺えるようなエピソードを用意します。

知りたい要素を学生自ら示してくるのだから、効率的だという見方もできるでしょう。しかし現実には、個別のマッチングを遠ざける面もあると思います。

なぜならば、「求める人物像」の内容には、どの企業も大きな違いがないように見えるからです。ナビサイトなどのフォーマットで眺めていると、とくにそう感じます。

下の図は、帝国データバンクが2017年2月に実施した、『人材確保に関する企業の意識調査』からの引用です。求める人物像ついて、上位には「意欲的」「コミュニケーション能力」といった言葉が挙がっており、普遍的に求められる要素であると分かります。逆に言えば、これらのワードをただ並べるだけでは、差別化がなされないということです。

求める人物像

また、普遍的な要素は、学生が自己PRとして使い回ししやすいものでもあります。企業ごとのPRから項目ごとのPRへのすり替わりが、「内定取得」をまるでゲームクリアのように認識してしまう一因だと、私は考えています。

もちろん、提示した人物像に100%合致する学生ばかりでないことは、企業の側も承知の上でしょう。
学生もまた、自分が「これならばアピールできる」と判断した要素を伝える努力をしています。
だからこそ、自社がいま求めている人物像を、正確に発信してほしいと思います。

広報活動でイメージを持たせるのが有効?

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自社独自の人物像からは、独自の評価基準が設定できます。社内における意義は、言語化された基準を共有できることだと言えます。

では対外、つまり学生に向けた活かし方とは何でしょうか。
前述したように、広報段階で人物像を注視する学生はあまりいません。それは、事業内容や社風など「企業の魅力」と結びついていないためではないかと思います。

自分の強みが社会でどう役立つのかは、未経験の学生にとって描きにくいイメージです。
そこで考えられるひとつの策が、実在する「求める人物像」を登場させることです。

社内のハイパフォーマーなど、欲しい要素を備えた人物が、活躍ぶりや仕事の内容を語る。ここから学生はリアリティのあるイメージのみならず、企業への「共感」も持つことができるのではないかと思います。

とくにブランドイメージの強くない中小企業では、関心や共感が志望度を高める鍵になります。せっかく独自の人物像を設けるならば、そのオリジナリティは自社のPRにも活用すべきではないでしょうか。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。