学生が人事ハウツー本読んでみた!【後編】テンプレ面接が嘘つき学生を生んでいる!?

img_0824.jpg
こんにちは、インターンのマリナです。
前回の記事に続いて、後編では『採用を変える、組織が変わる』高橋幸生著/エイチエス株式会社/2010年を通じて、面接における企業と学生間のギャップを取り上げます。

面接は採用活動の内で、企業側・学生側ともにもっとも重きを置くステップ。採用の成否は面接で決まるとも言われます。

さて、人事の方からしばしば聞かれるのがが、「ありきたりな回答が並ぶ」という声です。
こうしたテンプレートな回答はなぜ多いのか、学生の本質を見抜くにはどうすればよいのか?
人事向けのノウハウと見比べながら、学生のホンネを綴ります。

面接の極意は「過去を掴むこと」

面接では何をするのかといえば、それは過去の事実を掴み、その人の過去を正確に振り返っていくことである。
(『採用を変える、組織が変わる』高橋幸生著/エイチエス株式会社/2010年。 より引用)

人間は自分の過去における決断や行動をなぞるもの。つまり、未来(入社後)の判断方法やパフォーマンスも、その人の過去から予想することができます

したがって面接では、じっくり時間をかけて過去をたどり、事実そのものや判断の「クセ」を知ることが肝要です。

過去の話から判断できるポイントとして、本では次のような項目が挙げられています。

・勝ちグセ・負けグセ…目標達成のために粘り切るクセがついているか
・決断方法…過去の決断の場面、例えば困難に直面したとき、どのような道を選択してきたか
・影響力…周りの人間で影響力を持つ人は誰か
・他責・自責…挫折や失敗を外部要因のせいにしていないかどうか

過去のエピソードを具体的に聞き出す中で、これらのポイントを見極めていきます。
面接の質問にはさまざまな種類がありますが、「過去をたどる」というひとつの起点から、合否の判断に足る情報が充分得られることが分かります。

学生が用意した「台本」を崩すステップが必要

テンプレ質問がテンプレ回答を生む?

下のグラフは、学生がアピールする項目と、企業が重視する項目とをグラフ化したものです。(リクルート就職白書2017より引用)

kigyou-gakusei-gap

企業が「人柄」を重視する一方で、学生は「アルバイト経験」「サークル活動」といった項目に力を入れています

このギャップを生んでいるひとつの原因は、質問のあいまいさにあるのではないかと、私は感じています。

たとえば、面接でもっともポピュラーな「ガクチカ質問(学生時代に力を入れたこと)」。
企業の意図は、回答から人柄やポテンシャルを判断することでしょう。しかし学生はこの質問に備えて、「自らを良く見せるエピソード」を作り込みます。
その時々の感じ方や行動そのものではなく、「いかに望ましい判断、すばらしい行動なのか」を示すことが主眼です。

質問の意図が掴めない学生にも、問題はあります。ただ、「よくある」質問ほど、本来の評価基準や、過去をたどる目的から離れてしまう傾向があるのではないでしょうか。

極論かもしれませんが、「ありきたりな質問にはありきたりな答えが返ってきやすい」と言っても過言ではないように思います。

エピソードの大小によらない判断を

本では具体例として、「全国大会出場」「留学先における不屈の努力」などのエピソードが示されています。

面接でテンプレ回答をする学生の多くは、上記のような「語れる事実を持たない」人です。
実は私自身が、そうした学生のひとりです。著者は、事実がなければ今からでも事実を作るべきだと述べており、心に刺さりました。

さて、「事実がまったくない」ケースを除けば、この悩みの本質は「大きな、輝かしい成果がない」という自信の無さです。
自分の持つエピソードが抜きん出たものでないと、脚色で補おうとしてしまいます。そうして作り上げられた台本が、テンプレ回答と言うわけです。

一目で分かるような輝かしい過去は、もちろんその人の強みです。
しかし、自信の無さからテンプレ化してしまった回答にも、展開の余地はあるように思います。

求める人物像との照合や、本から引いた前出のポイントは、エピソードの大小に関わらず判断できる方法です。
一見テンプレ回答に感じても、こうした観点から掘り下げてゆくことで、学生の人柄が改めて見えるかもしれません。

まとめ

株式会社ディスコの調査によると、学生が就職活動でつく嘘の第1位は、「第一志望でない企業に、第一志望と言った」だそうです。
就活生は、複数の企業を並行して受けています。どの選考も通過したいと思う以上、第一志望ではないと伝える学生はほとんどいません。

学生との間で行う確認としては、「自社で働くイメージができているか」が妥当ではないかと、私は考えています。

企業に対する関心の深さは、入社意欲に表れます。イメージを描くなかで関心は深まり、自分自身でマッチングを意識するようになります。
また企業の側でも、オリジナルの評価基準を設けることで、上記のイメージを採用の手がかりにできると思います。

他社との差別化は一般的に、学生を集める策として取り上げられます。
しかし、採用活動すべてに独自性を持たせる必要があると、この本を読んでみて改めて感じました。

選考や振り返りを含めて、独自の評価軸を持つ。その軸に沿って、自社にとっての「質」をまっすぐに見据えたサイクルを作り上げる。
こうした再構築が、採用難を乗り越えるだけでなく、先々の満足度のためにも求められているのではないでしょうか。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。