ぱっとしないESから優秀な人材を見抜くには?学生の個性を引き出すES課題

こんにちは!
新卒WATCH編集部インターン、関西在住の大学4年のサトリエです。

先日、19卒の後輩のESを見る機会がありました。
言いたいことはわかるのですが、読み手に誤解を抱かせる危険性のある文言がちらほら…。たとえば、『自分の市場価値価値を高めたい』、意味が読み手に伝わりにくいです。

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肩に力が入り過ぎている

1年前の私自身、ESの書き方がわからず苦戦しました。そこで、「学生がどんなことを考えてESを書いているのか」を、なんとかして人事担当者の方々にお伝えしたいと思い今回の記事を執筆します。

ESを書き慣れていることが必勝法なのか

顔も知らない相手を紙だけで判断するのは大変難しいことです。さらに応募者数が増えれば増えるほど、1つのESに充てられる時間は限られます。そうすると、見やすくまとまっている文章が、面接官の目に留まりやすくなるのは当然です。しかし、どんなに優秀な学生でも就職活動を始めた頃は、ESの書き方が定まらず、荒い文面になりがちです。特に、志望度が高いからこそ、誇張であったり、逆に自分を卑下することがあります。力んでしまっている学生が陥入りがちなポイントについて、以下で紹介していきます。

ESの完成度を構成力する3つのスキル

①全体の構成力
②文章記述力
③想い(志望度)

就活生の中で、3つとも全てを抑えられている学生は少ないです。特に、就職活動を始めたばかりの頃は③の志望度を全面に押し出してしまい、逆に薄っぺらい内容になることも…。

「学生時代のエピソード」Top2

リクルート、ライフネット生命などの人事責任者として20年以上、就活生と向き合ってきた曽和利光さんが日本経済新聞のインタビュー「学生は、根拠のない思い込みで失敗している」といいます。特に「学生時代のエピソード」には、幾つかのパータンがあるそうです。
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1.「激変系」エピソード

「所属する野球サークルでとても大きな試合があったのですが、僕のエラーで負けてしまいました。その帰り、先輩から『……』と言われました。私は、この先輩の一言から○○と感じて、△△が大切だと学び、その時から変わりました。」

この学生の返答で激変系と言われるキーワード。それは「その時私は」。つまり、自分の価値観や人格に起きた変化をある一瞬の出来事によって説明しようとしているのです。私はこれを「激変系エピソード」と読んでいます。

(日本経済新聞を転載)

2.「一体感醸成系」エピソード

「所属するテニスサークルにすごくやる気がある人とやる気のない人がいました。私は間に立ち、丁寧にそれぞれと話をしました。結果、時間はかかりましたがみんなで一体感を持てるようになり、関東大会という目標に向かって努力できました」。

「一体感醸成系エピソード」は、「激変系」と比べればそれほど悪いエピソードでもありません。ただ20年の人生の中で、他にも良いエピソードがあるはずなのに、なぜこれを選んだのだろう、と人事担当者として疑問に思っていました。なぜか非常に多いのです。しかも、上記のように、仲を取り持つ役柄で話す人が圧倒的に多いので、「ああまたか」と感じていたのは否めません。

(日本経済新聞を転載)

学生がやりがちな3つのこと

畏まった言葉をつかう
→等身大の自分を出すことを恐れています。

完璧を求めようとする
→失敗=よくないこと と捉えがちです。

読み手を意識した文章ではない
→全てを伝えようとして、小説のプロローグのような文章になりがちです。

上記で挙げたような言動をとる背景には、2つの学生像が考えられます。1つは自分を過大評価している学生、2つ目は、自分に自信がないからこそ、誇張する学生です。そもそも、学生にとって『社会人はなんでもできる完璧な人』という先入観があるように感じます。学生から社会人になる私たちにとって、会社で働かれている方々は、みんな優秀というイメージがあります。だからこそ、自分もその一員になるにあたって相応しい言動をとらないといけないという考えが先行して、等身大の自分を隠し、ちぐはぐな言動をとってしまうのではないでしょうか。

適切な情報発信

優秀な人材をみつけるためには、まず学生の肩の力を抜くように企業側からアクションをとることが大切だと思います。私が以前参加した座談会で、入社5年目の社員の方々が失敗談だけを話すというのがありました。そこで、現状の自分を認め、それを将来どう変えていきたいのかビジョンを持つことが大切だと学びました。このように、企業側から、「こんな学生を求める」という情報発信だけではなく、「こんな失敗をしても大丈夫」という声がけがあると、学生としてはとても心強いです。

個性的なES課題

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これは東洋経済オンラインに掲載されたHR総研のデータで、2018卒の学生が印象に残ったES課題をランキングしたものです。文系1位は三井住友海上、理系1位は旭化成でした。全体的に、学業以外のエピソードが多い印象です。東洋経済オンラインによると、各社の課題内容は以下のようになります。

〇三井住友海上火災保険のエントリーシート課題
「専攻テーマ(100文字以内)」
「体育会での戦績(50文字以内)」
「部活動での戦績(50文字以内)」
「サークルでの戦績(50文字以内)」
「その他課外活動の特筆すべき成果(50文字以内)」
「あなただけの一芸(50文字以内)」

〇資生堂のエントリーシート課題
「145年続いてきた資生堂の社名を変更する、重要なミッションをあなたにお願いします。新しい社名と、未来の社員にも語り継がれるようにその理由も説明してください。(1)社名 日本語50文字以下 (2)理由 日本語500文字以下」

〇伊藤忠商事のエントリーシート課題
「困難に直面したとき、どのように克服しますか。30文字以下」
「あなたの思うリーダーシップとは何ですか。30文字以下」
「ストレスを感じるのはどのような時ですか。30文字以下」
「今までの人生で最大の決断は何ですか。30文字以下」
「あなたの人生の夢を教えてください。30文字以下」

〇カゴメのエントリーシート課題
「カラオケの持ち歌」
「あなたは、どのような人ですか? 自由に表現してください!(具体的な経験やエピソードも交えて)」

〇旭化成のエントリーシート課題
「右の9つのワードのうち3つ以上のワードを用いて、自由に文章を作成してください。物語、詩、自分の考えなどどんな内容、表現方法でも結構です。(全角200字以内)<科学・熱・創造・結束・C・原理原則・大気・宿命・いぬ>」

多くの質問は過去より未来に重きを置き、学生それぞれの発想力を試しています。問題に対するアプローチから垣間見える『実力』はそれまでの人生で培われてきたものです。
このように、質問の仕方を変えるだけで、返ってくるアイデア、エピソードは人それぞれになるのではないでしょうか。学生の本領を引き出すために、ES課題の質問を変えることは有効的だと思います。

まとめ

学生は緊張のあまり、誇張であったり、自分を卑下することがあります。その習性を把握すること、はたまた、ES課題を企業独自のものに変更することは有効的です。そうすることによって、コピペのような解答ではなく、学生の個性を引き出すことができると思います。

この記事を書いた人:サトリエ

サトリエ

東京から関西の大学に進んだ現役就活生のサトリエです。 1年間ヨーロッパ13カ国を1人旅するなど好奇心旺盛。趣味は裁判傍聴とサウナ。無類の珈琲好きです。新卒WATCHインターンを通して、人に伝わる文書の書き方を身につけたいです。