1dayインターンって結局何すればいいの?事例から探る、学生に評判の高いプログラムと実施のポイント

こんにちは!インターンのマリナです。

いまや、就活・採用の実質的なスタート地点となりつつあるインターンシップ。とくに昨年ごろから、半日や1日で完結する1dayインターンが大きく伸びています。しかし、本来の意義である”就業体験”にそぐわない、という指摘もなされており、「1日で何をすればよいのか?」「採用成果には結びつくのか?」と不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、実際の企業事例を参照しながら、1dayインターンのポイントを探っていきます。

1dayインターンの現状と学生の声

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急伸する1dayインターンがもつ「難点」

インターンの企業実施数・学生参加率は、ここ数年上がり続けています。

実施期間や内容が多様化する中、2017年からは経団連がこれまで定めていた日数規定(5日間以上)を撤廃しました。
この改正も後押しとなり、19卒向けインターンシップサイトの掲載社数はのべ1万3000社を超えました。そのうち7割が、1日での開催です。

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※データ、画像はHR NOTE『【速報】2019年度インターンシップサイトの掲載状況と比較・考察』より引用

学生の側に目を向けると、18卒学生の参加経験率は65.2%(マイナビ調べ)。
2人に1人は、何らかのインターンに参加していることになります。
また、平均参加社数は2.9社。1dayインターンの急伸が、学生の複数社参加を促していると考えられます。

1dayゆえのメリット・デメリット

1dayインターンは、中長期プログラムに比べて工数やコストがかからず、比較的着手しやすいと言われています。また複数回開催できるため、沢山の学生に出会うことができます。

一方で、1日限定がゆえの難しさも孕んでいます。
本来インターンには、就業体験を通して得られる深い企業理解や、適正のセルフスクリーニング機能といった効果が期待されています。
半日〜1日という短い時間ですと、こうした効果はどうしても薄くなります。

またできる内容が限られることから、他社と似通ったプログラムになりがちです。

 

学生が1dayインターンに求めるものとは?

次に、学生側のインターン事情を確認しておきたいと思います。

企業の印象づけという点で、インターンの実施にはおおむねプラスの効果が表れています。
前出のマイナビによる調査では、参加後の企業に対する印象が「良い方に変化した」という回答が半数を超えました。
理由としては、正社員の雰囲気、課題や業務へのやりがいといった項目が挙げられています。

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※マイナビ2018卒 マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査より引用

さて、学生がインターンに参加する主な目的は、企業・業界の理解を深めることです。場合によってはここに、「内定を有利にするため」という目的が加わります。

1dayインターンだけでは内定に直結しないことがほとんどである上、学生も1日だけで深い体験ができるとはあまり考えていません。
いわばシーズン前の「企業説明会」として、割り切っている人が多いように感じています。
加えて、1dayは事前選考を要しないプログラムが多いため、まだやりたいことがはっきりしていない、就活の初期段階にある学生に向いているという認識もなされています。

つまり1dayインターンは学生にとって、企業・業界研究の意味合いがより色濃く、志望度もまちまちであると言えます。
 

したがって、

・自力で調べるよりも、一歩踏み込んだ理解や見地が得られること
・内容や社員との交流を通して、やりがいや雰囲気を「実感」として得られること。

この2点を、1日という限られた時間にどれだけ入れ込むかが、成功のポイントではないかと思います。
 
 
 

学生に人気の企業事例から探る、プログラム設計・実施の工夫

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インターンのプログラムにはいくつか種類があり、最も効果的とされる「実務・実践型」は主に中長期で実施されています。

 
時間が限られている1dayで多く見られるのは、「グループワーク型」「体験・見学型」「講義型」の形式です。

こうしたプログラムに対して参加学生からはしばしば、
「何の為かよくわからないゲームをさせられた」「ただ会社の説明を聞くだけで終わった」
というような感想が聞かれます。
前項のポイントを踏まえ、インターンとして身のあるプログラムを提供するには、どんな工夫が必要なのでしょうか。

ここでは、学生のクチコミで評判の高い7社の実施事例を取り上げました。
それぞれのコンテンツ内容や工夫から、好評価の理由を抽出していきたいと思います。

 

グループワーク型は、中身の濃さとフィードバックが肝要

新規事業や企画の立案、課題解決をグループ単位で行う「グループワーク型」。
インターン全体でも最も主流な形式で、現場に立たずにビジネスを体感できるため短期日程にも対応できます。

陥りがちなのが、ワークの目的が明確でなかったり、実際の企業活動とかけ離れてしまうケース。

1dayでは事前選考ではなく抽選制を取ることが多いため、参加学生のレベルや関心が同一でない点にも留意しなくてはなりません。

学生に好評価のグループワーク型プログラムに共通しているのは、次の3点です。
・課題や指導レベルの高さ
・フィードバックの充実
・実際の業務をイメージできる課題

株式会社イトクロ

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採用サイト:http://recruit.itokuro.jp/

プログラム内容
・新規事業創出型のグループワーク
・優秀案には1000万規模の投資がなされ、実際にいくつもの事業が生まれている
・取締役や幹部が直接指導に当たる

イトクロの1dayインターンは、立案で終わらず、その先の「創出」までをゴールに定めています。そのため経営戦略だけでなく、市場調査や収支計算を含めたかなり実践的な内容となっています。

実際の業務と同じ流れを、企業トップの指導を受けながら経験できるこのプログラムは、「実務実践型」に近いリアリティを持っていると言えます。

事前選考も狭き門となっており、参加学生のレベルも高い人気インターンです。

ディップ株式会社

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インターン特設ページ:http://machintern.strikingly.com/

プログラム内容
・120分で1つのサービスを設計する「マッハインターン」
・ディップのサービス作りのノウハウを学ぶことができる
・MVPには人事との面接権を付与

1日完結の密度の高さを訴えるタイトル、打ち出し方も巧みなディップのインターン。
こちらのインターンが評価される理由は、フィードバックの充実ぶりにあります。当日の口頭指導だけでなく、個別にフィードバック内容を記載したシートも最後に配布しています。
また、自分が作成したサービス設計図も持ち帰ることができます。

参加後も手元に残る「成果物」があると、学生はより成長した実感が得られると思います。

株式会社ベクトル

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採用サイト:https://vectorinc.co.jp/sp/recruit/

プログラム内容
・マーケティングコミュニケーションの企画立案グループワーク
・「広告」と「戦略PR」の違いを知る
・インターン参加者には本選考前の特別選考を用意

ベクトルでは、戦略的に話題をもたらす「戦略PR」を看板としています。
1dayインターンでも、従来の広告とは異なる戦略PRを理解できるようなプログラムを作っています。

学生に伝えたい「自社の強み」を定めることで、知識を深めるレベルに留まらず、入社への興味まで引き上げられている例ではないでしょうか。

過去に実施した事例を題材とし、ワークとフィードバックを経てから実際の解決策を見せる、というように、スムーズな組み立てと進行の上手さも評価を得ています。

ベイカレント・コンサルティング

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採用サイト:http://www.baycurrent.co.jp/recruit/

プログラム内容
・コンサルティング実践プログラム(課題解決型のグループワーク)
・就活突破セミナー(就活やキャリアについての講義)

政府や大企業も顧客に抱える同社。
キャリア講義もあるためグループワークは1時間と短いですが、各チームにメンターが付いて細かく指導します。

これは実際のプロジェクトで「初期仮説を立てるまで」の所用時間なのだそうです。実際のタイム感をイメージできたり、現場に紐付いたアドバイスがあると、学生の刺激になりますね。

また、事前に提出するビジネスケース課題に対してもフィードバックが行われます。

 

採用への姿勢を、コミットする社員にも通底させる

実際に働いている社員と接する機会は、インターンの意義のひとつです。
実務型の中長期プログラムでは働いていく中で、企業文化や仕事の大変さなど、いわば内情を体感できます。

半日や1日という時間でそれらを「感じ取る」ことは難しく、企業側も概要や良い面しか伝えない向きがあります。
たった1日であっても、ギャップを無くすための情報開示は、マッチングの観点において有用ではないでしょうか。

また1dayでは、当日接した社員の雰囲気がそのまま企業の印象となるため、学生の志望度に大きく影響します。
協力社員には単に役割を振るだけでなく、自社の採用に対する姿勢を伝え、理解してもらう必要があります。

シオノギ製薬株式会社

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採用サイト:http://www.shionogi.co.jp/recruit/

プログラム内容
MR/ML職体験プログラム
・グループワーク(ディスカッション、ディベート)
・MR職体験(社員が医師役、学生がMR役になってのロールプレイ)

シオノギ製薬のインターンは、「社員の雰囲気がよい」と学生に評判です。
好評価の裏には、募集職種に真剣に向き合ってほしいというねらいと、それが通底された体制があります。

グループワークでは過去、《MR職のあるべき姿は営利主義(利益)か?顧客主義(信頼)か?》という議題が設けられました。センシティブなテーマをあえて扱うことで、学生に本質的な理解を促しています。

社員と個別にする会話でも、ネガティブな側面を含めて率直な回答が貰えた、との声が多数見受けられました。
オープンな情報開示の必要性を、コミットする社員にきちんと伝えていることの現れではないかと思います。

 

体験・見学型は「お客さん」で終わらせない工夫を

工場や作業現場を訪れる体験・見学型のプログラムは、とくに製造業で多く実施されています。
ラインを実際に見たり、機械設備を操作する機会は学生にとってレアな経験ではありますが、それだけではエンターテイメントの範囲に留まってしまいます。

実際の業務の流れを体感したり、学生が適正を測れるような仕組みで、「この企業で働く」具体的なイメージを与えることが、他社との差別化につながります。

株式会社協同工芸社

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企業ブランドサイト『pd』:http://pd-kyodokogei.com/

プログラム内容
プロダクトデザイン体験インターンシップ『pd’n』
・工場設備見学、自社の発想・商品化についてのレクチャー
・商品デザイン展開実習(設定から試作デザインの作成まで)

看板製作を手掛ける同社では、端材を使って看板製作を行う長期インターンを実施しており、デザイン系の学生に評価を得ています。
1dayでも、発想から販売まで、実際のプロジェクトになぞらえたコンテンツを提供しています。

実習では、実際に商品化を想定したフィードバックも行われます。
製造業のすべての工程を1日で体験することは困難ですが、講義と体験をうまく配分し、深い理解をもたらすことができています。

自身の関心や適正を判断し、中小企業ならではのやりがいを感じることができる、魅力的なプログラムです。

 

講義型でも、アウトプットの機会を設ければ満足度アップ

学生が受け手となる講義型のプログラムには、セミナーやレクチャーといった呼称も使われています。
人手が少なくて済むことが大きなメリットですが、反面、企業説明会との差異が最も出しにくい形式でもあります。

したがって講義の内容には、業界・企業研究として学生が自力では得られない見地、最新の業界事情などが求められます。
また、学生を受け手に終始させるのではなく、能動的にアウトプットするコンテンツを設けることが望ましいと思います。
質疑応答よりも、なるべく参加学生全員が考え・表現し→フィードバックを貰えるような形式の方が、全体的な満足度が高くなります。

ベネッセホールディングス

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インターン情報ページ:http://www.benesse.co.jp/fr_s/internship/

プログラム内容
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・経営戦略・マーケティングについての講義
・ベネッセの事例を用いたグループ議論
・企画立案のグループワーク
・参加学生には、次回2daysインターンへの選考パス付与も

教育業界大手のベネッセホールディングスによる1dayインターンは、企業研究に役立つと学生に根強い人気を得ています。
経営戦略・マーケティングの基礎を身に付けることが主目的ですが、自社事例を用い、ベネッセの戦略を理解できる内容となっています。

学生が自ら考え、アウトプットするための仕組みもしっかり作られています。
参加学生にはまず、事前にベネッセの歩みや戦略などをまとめた冊子が届けられます。事前課題としてその内容をまとめてから参加し、当日は議論やワークを通して更に理解を深めていくという形です。

このプログラムが優れているもうひとつの点は、採用したい・選考を受けたい学生への誘導先を設けた上で、1dayはさまざまな学生を広く受け入れる「入り口」にできている部分だと思います。
ビジネス・キャリア講義をメインとしたプログラムは、実施目的や自社との関連性があいまいになりがちです。対象学生の設定、採用プロセスにおける位置づけから始めると、舵を取りやすくなるのではないでしょうか。

 

最近増えている「面接官体験」ってどうなの?

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最後に、学生が人事役・候補者役となって模擬面接を行う「面接官体験」に触れたいと思います。
「人事体験」とも称されるこのプログラムは、過去にリクルートが開催したことから火がつきました。面接の練習になるというアピールで近年、実施事例が増えています。
実施に係る工数が少なく、規模が小さければ人手も抑えられる点がメリットですが、採用成果に結びつかないのでは?とも言われています。

確かに、実際の業務を体験したり、企業を多面的に理解するという意味では、面接官体験だけではやや薄くなります。

ただ学生からすると、「面接官は何を考えているのか?」「どこを見て採用しているのか?」といった事柄には、とても関心があります。
設問の意図や人物像を知るためのポイントなど、自社のビジョンや人材要件を絡めて進行すれば、企業理解にもつながります。
とくに求める人物像についてはあまり詳しく説明されることがないため、学生が自身の適正を考えるのにとても有用です。

実施に際しては、なるべく本番と同じ雰囲気や進行を心掛ける方が、学生の信頼を得られると思います。

まとめ

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今回取り上げた7社は、いずれも中長期プログラムを別に設けており、インターン実施の体制が整っている企業です。
したがって、中長期の内容を凝縮、あるいはピックアップしたコンテンツが多くなっています。

設計の大前提となるのは、「趣旨と実際の内容の一致」だと私は考えています。
集客のためのあいまいな表現や誇張は、かえって学生の不満につながるためです。
告知と実施内容が同じであれば、例え説明会寄りのコンテンツであっても、学生は承知の上で参加できます。

また1dayインターンではあれこれ内容を詰め込むよりも、「学生に一番伝えたいこと」を定め、全体に一貫性を持たせる方が、学生の印象に強く残るのではないかと思います。
協力社員に対しても、当日の拘束時間が短いぶん、事前の打ち合わせを頼んでみてはいかがでしょうか。

本記事が中身の濃く、採用成果につながるプログラム作りに役立てば幸いです。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。