Facebook, Inc.の「即戦力」インターンは月収60万円!【日米インターン比較特集 第2回】

前回の記事では、アメリカと日本でのインターン事情の違いを比較しました。
インターンへの関心が年々高まっている日本では、アメリカのような「採用直結型」を志向する企業も増えてきています。一方で「1dayインターン」の名を冠した説明会の横行により、実施期間やプログラム内容の定義づけが改めて議論されています。

facebook
Facebook社のインターンプログラム告知サイト

インターン誕生の国でもあるアメリカでは、どのようなプログラムが学生に提供されているのでしょうか。
第二回は、アメリカで高い評価を得ている企業インターンの事例をご紹介します。

日本とは比較にならないレベルの「即戦力」重視

前回の記事でも触れたように、アメリカのインターンシップは学生に対する「テストラン」としての意味合いを持っています。
したがって、そのプログラムもかなり実践的な内容が主流。参加者は実際の仕事を割り当てられ、リアルな働きぶりを評価されます。期間中には、学生の成長を促すよう、メンターや部門全体によるしっかりとしたサポート体制が設けられています。
夏休みなどの長い時間を使って企業への実際的な貢献が求められるため、給与やリフレッシュの機会も与えられていることも特徴。また、その企業の強みを活かした「特典」も、学生を惹きつける要素になっています。

「高評価インターン」ランキング上位のプログラム事例3選

それでは、実際のプログラム内容をご紹介していきましょう。今回はNACE(National Association of Colleges and Employers 全米大学・雇用者協会)や、就活ランキングサイトVaultによるランキング付けで上位に入っている企業から、3社をピックアップしてみました。

Nickelodeon Animation Studio のインターン

Nickelodeon
https://www.nickanimationstudio.com/nickelodeon-internship-program
Nickelodeonは、人気アニメ「スポンジ・ボブ」などを手がけるアニメーションスタジオ。春・夏・秋の3回インターンを募集しており、プログラムは最低10週間をかけて行われます。参加者はアニメーション制作、プレス、マーケティングなど20種類ものコースを選択することができます。
インターン生は「Nickterns」と呼ばれ、それぞれの部門で実践的な経験を積むことになります。プロのクリエーターから直接アドバイスを受けられる他、幹部とのランチタイムやプロデューサーとのネットワーキングで上部と接する機会も設けられています。
また、同社が手がけた作品を自由に見ることができたり、アート関連の試験を受けるチャンスが与えられるなど、アニメーションスタジオならではの特典が用意されています。
参加者の3分の1以上がフルタイムの職をオファーされることもあり、特にクリエイティブ業界を志す学生から高い人気を保っています。

企業のサイトがポップで親しみやすいことも、アニメーションスタジオの強みと言えそうです。

Nickelodeon2

Evercore のインターン

evercore

http://www.evercore.com/careers/Intern-Analyst-Associates

ニューヨークに拠点を置く独立系投資銀行Evercoreのプログラムは、Vault社による2017年のランキング、The 50 Best Internshipsで1位を獲得しています。
インターン生はアナリスト、アソシエイトとして、1週間の研修を含んだ10週間の業務に従事します。
社員のチームに加わって顧客との取り引きも行い、合弁事業や売却・買収など多くのタスクに携わります。取引先の大企業幹部と実際に出会える機会は、参加者にとっての貴重な経験です。
業務はとてもハードなものですが、指導やサポートの体制もしっかりと取られています。刺激的な実地経験は学生の成長を大きく促すもので、「信じられないほどの学習環境」と評価されています。また、期間中には社内の交流イベントも週に一度開かれます。

プログラムの終わりに与えられる正社員のオファー率は90%以上で、そのうち90%の学生が受け入れています。
Evercoreのこうした取り組み方は、学生に業務内容だけでなく、企業文化への理解も与えるものです。結果として、同社全体の協調的な環境が保たれているといいます。

Facebook, Inc. のインターン

facebook

https://www.facebook.com/careers/university/

言わずと知れたFacebook社は、「最高峰」と名高いインターンプログラムを提供しています。
Facebook社のプログラムを調べると、まず驚くのが給与の高さと、福利厚生の充実ぶり。インターン生には1ヶ月に5,600ドルと、アメリカ市民の平均月収よりも高い給与が支払われています。住居や食事は無償で提供され、週末には様々なレクリエーションや旅行を楽しむことができます。

このような豪華な特典は、インターンに寄せる大きな期待の表れです。選考の基準も高く、大学の成績も優秀であることが必要です。

インターン生はただ仕事をこなすのでなく、自分たちでプロジェクトを率いることを求められます。
社の一員として実際の業務に携わるため、社内のリソースや情報へのアクセスも、通常の従業員と同様に与えられます。エンジニアのインターンには、Facebookのコードベースを修得するための、社員とほぼ同じ研修が設けられています。

それぞれのインターン生にはメンターとして社員が割り当てられ、1対1でプロジェクトの実行や評価を進めていきます。これらのメンターは全員ボランティアですが、サポート業務は自身のステップアップ、同社の未来への貢献として捉えられています。

こうした双方向の取り組み方は、企業と学生とが互いに理解し合う採用面接としての性格も備えています。
プロに囲まれ、自身の手がけた仕事が世に出る喜び、またCEOマーク・ザッカーバーグ氏を始めとする幹部との接触は、Facebook社のインターンに高い価値を与えています。

「幹部レベルとの交流」や「自社サービスの活用」などすぐ取り入れられる質の高いプログラムのヒントも

いかがでしたか?
学生が事業にかなり深く携わり、相応の責任を与えられていることが伺えるのではないかと思います。
関与度だけでなく、Facebook社のエンジニア向け研修やNickelodeonでのアート試験など、スキルが身に着く機会の多さも、雇用を視野に入れているからこその特徴と言えます。

日本でもハードなプログラムを実施する企業はありますが、ほとんどが実際の業務ではなく、インターン用の課題に取り組ませるものです。
こうした形式でももちろん、人材の見極めは可能です。しかし事例のような関わり方が生む大きなメリットは、学生がその企業に「馴染める」という点ではないでしょうか。

高い給与や旅行といった特典は、日本ではあまり現実的なものではありません。それでも、例えば幹部レベルとの交流や、自社の商品・サービスの活用など、参考になる手法を見出すことはできそうです。

シリーズの最終回となる次の記事では、アメリカにおけるよりよいインターンプログラムを行うためのノウハウを取り上げます。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。