新卒の定着率を引き上げる!学生の注目を集める「入社パス」の導入事例

    こんにちは!
    新卒WATCH編集部インターン、関西在住の大学4年のサトリエです。
    無事就活を終え、あとは卒業を待つだけとなりました!

    ……ただ、本当にこのまま社会にでて、やって行けるのかと不安は募るばかりです。
    近年の売り手市場により、就活生は多くの選択肢の中から企業を選ぶことができます。一方で、大卒の新卒3年以内に約3人に1人が新卒時に入社した会社を退職する時代となっています。

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    その背景には、企業とのミスマッチマインドセットの不足、職場での人間関係、労働環境が悪いブラック企業であった等の要因が挙げられます。
     2017年6月に、総合求人・転職支援サービス『エン転職』を運営するエン・ジャパン株式会社が発表した「退職理由」についてアンケートにおいて、25歳以下の転職理由第1位は「給料が低い」第2位は「残業や休日出勤が多くて辛かった」、第3位は「やりたい仕事ではなかった」という結果でした。26~34歳、35歳以上のアンケート結果では、「評価や人事制度に不満があった」という意見が多いのに対して、25歳以下の転職の転職の場合、企業とのミスマッチ、入社前のマインドセットが十分ではなかったことが考えられます。採用活動の段階からミスマッチを防ぐための取り組みがおこなわれていることを踏まえて、今回は「マインドセット強化」として、入社時期を選べる「入社パス」制度についてお届けします。

    「入社パス」制度とは、入社パスを発行する企業が定める期間内であれば、入社時期を問わず、当人の意思に応じて入社することができるというもの。 (引用:Wikipedia)

     
    「入社パス」を導入している企業の事例をもとに、学生の意見を交えながら「入社パス」のメリット・デメリットをお伝えします。

     

    入社パスの最大の魅力は“入社までに自分のやりたいことに挑戦できる”こと

    もともと大学在学中に、休学や休暇を使って海外に出て行く学生、長期インターンをする学生など、様々な課外活動に参加する学生がいます。ただ、学業が忙しく時間が取れない学生もいます。そのような学生にとって、卒業してから入社するまでの時間を旅行やボランティアなど好きなことに使うことができるのは魅力的です。

    日本より大学生活が忙しいアメリカでは、就職活動をせず、卒業後にギャップ・イヤーを作り、好きなことをする学生が少なくないそうです。ギャップ・イヤーというと、大学入学前の1年間にとる休みを連想しますが、アメリカでは個人の節目ごとにギャップ・イヤーを取ります。このギャップ・イヤーと比較して、「入社パス」は企業ごとに期間の定めがありますが、「就職先がある」という安心感は学生のやりたいという気持ちを後押しするのではないでしょうか。

    企業にとって、入社研修の負担の軽減かつ質の向上につながる

    同じ時期に入社する人数を調整することによって、目が届きやすく、充実した研修が可能になります。現場への配属もずれるため、現場の負担も軽くなります。

    ワークスアプリケーションズ

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    入社パスを先行してきたのがワークスアプリケーションズです。2002年8月、ワークスアプリケーションズは問題解決能力発掘インターンシップにおいて、優秀な成績をおさめたインターン生に対して、「入社パス」を発行し始めました。「ゼロから1の能力」を追求し、実際のビジネスで起こりうる難解な「答えのない課題」に挑戦するのがワークスアプリケーションズのインターンシップです。約20日間で、出された課題を分析して仮説を組み立て、新製品の企画・開発を行い、最終的には大手企業経営者向けを想定したプレゼンテーションに挑みます。成績上位者には報酬に加え、卒業後3年間はいつでも入社できる「入社パス」が与えられます。インターンを始めた経緯につて、同社の代表取締役最高責任者である牧野正幸は同社のインタビューにおいて、「とにかく、優秀な人だけを集めたい。だから、応募動機なんて気にしてないよ。内定を出すことが目的でもないし。ワークスのことなんて好きでなくても、知らなくても、そんなことどうでもいいんです。優秀な人たちに集まってもらって、社会に出る前に無茶振りすることで、自分のキャリアについて考えて欲しいと思ったことが、私がインターンをやろうと思った動機でした。」と語っています。

    学生の中で、ワークスアプリケーションズのインターンは特に人気が高いです。実施時期が早く、そこでのインターンは「自分を追い詰める」経験になり、就職活動の良いスタートダッシュにつながっているのだと思います。

    星野リゾート

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    星野リゾートでは、一人ひとりの想いを大切にし、それを支援する機会を用意しています。その一環として、内定者に対して、フレキシブルに4月、6月、10月、2月の4回入社時期を設けています。

    リクルートライフスタイル

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    2017年1月に株式会社リクルートライフスタイルは幅広く就職する機会、そして就職前にキャリアについて考える機会を拡充することを目指す、新しい新卒採用の考え方『新・新卒採用』を発表しました。大学3年生の3月から27歳まで365日エントリー受付、2種類の「2 Year パスポート」を交付します。「2 Year パスポート」には、「入社パスポート」と「最終面接パスポート」の2種類があり、2次面接通過者には、2年以内であれば最終面接から選考をスタートできる「最終面接パスポート」を、内々定受諾者には、卒業後2年以内であれば入社時期を選べる「入社パスポート」を交付。加えて、通年実施の社員座談会、実務型長期インターンシップを実施しています。求職者に対し “働く”について考える機会を提供し、留学・旅行・起業などの機会を増やすことで、幅広い人生プランに対応できる環境作りに取り組んでいます。

    留学などやりたいことに時間を使ってから就職することは、これまでの新卒採用では受け入れられずらい構造がありました。一人ひとりにあった“働く”環境がみつかるように機会を創出し、幅広い生き方をサポートすることは、会社側、求職者にとってメリットのあることだと認識されてきているのではないでしょうか。

    HIS

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    エイチ・アイ・エス(HIS)では、2013年の採用活動から人材採用の強化を目的に「新卒入社月選択制度」を導入しました。新卒入社月選択制度では、従来の4月一括入社から、新入社員が入社月を自由に選択できるように変更しました。卒業時期が日本の大学と異なる海外留学生や海外の学生も就職しやすくするとともに、短期留学や異文化交流、語学習得、ボランティア活動、長期海外旅行などの経験を積む時間にあてることができます。利用条件は「海外で挑戦し、過ごすこと」です。この制度では、卒業後1年以内の毎月1日を入社日に定めています。入社日までの活動は自由となっています。ただし、内定時の入社月選択申請と、入社時の活動結果報告が求められます。

    ユニリーバ

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    ユニリーバ・ジャパンは2017年6月より、革新的な新卒採用制度「UFLP365(ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラム365)」を導入しました。「いつでもどこでも自分の未来を考えられるように」という思いから生まれたUFLP365では、大学1年生から既卒3年以内の方までを対象に、いつでも世界中どこからでも応募可能な通年採用を行います。インターンシップあり・なしの2つの選考過程から選ぶことができ、いずれもウェブ登録後、ユニリーバ社員としてのポテンシャルを見極める「ゲーム選考」、与えられたテーマに応える「デジタル面接」、ユニリーバ・ジャパンのオフィスで実際の仕事に近い課題に取り組む「ディスカバリーセンター」、役員との「最終面接」という4段階の選考を行います。インターンシップを実施する選考過程では、これにインターンシップが加わります。1回選考から外れても1年の期間を置けば何回でも受けられるほか、最終面接の前と入社前に最大2年の期間を空けることも可能であり、対象者がキャリアを考える際の自由度の高い制度となっています。

    ネスレ

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    ネスレ日本では2013年度新卒採用より、年齢・学歴・国籍などの採用対象を限定せずオープンにエントリーを受付け、選考時期・選考方法を選択できるエントリーコースとして「ネスレパスコース」を実施しています。「ネスレパスコース」は、8つの項目から2つを選んでエントリーする「選択型エントリー」から始まります。たとえば、「チャレンジ経験」なら人生最大のチャレンジについて400~800字の論文を提出する。「No.1実績」であれば、各種表彰などの証明物を提出。その後、テストとグループディスカッション、面談を行い、合格すると「ネスレパス」が付与。これは「ネスレチャレンジプログラム」への参加権です。年3回実施されており、パスを取得するまで何度でも挑戦することができます。「ネスレチャレンジプログラム」は大学3年から参加可能で、同じく年3回実施。こちらはワークショップ型の選考プログラムで、ネスレの社員も参加して2日間実施されます。同プログラムを通過した学生は最終面談に進み、そこも通過すると「ネスレアソシエイト(内定者)」となります。入社年月は翌年4月になります。

    ネスレの特徴はネスレパスを取得されるまでは、何度でもエントリーすることができる点です。在学中、既卒3年以内(未就労)を対象としています。

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    「入社パス」を選ぶことの不安

    ここまで、入社パスの事例をお伝えしてきました。現役生として、もし私が「入社パス」を持っていたらと考えたら、利用したいと思います。ただ、利用する目的が明確ではなくて、結局、入社を遅らしても、不安を感じるような気がします。つまり、「入社パス」は本人が明確な目的をもつ事によって、入社を送らせて取り組んだ経験が成長に繋がるのだと思います。「入社パス」を新人研修の一環として活用するのであれば、HISのように入社後に活動結果報告を課すことも必要だと思います。
    また、「入社パス」の利用にあたり、学生としては以下のポイントが懸念されます。

    ・遅い入社時期を選ぶことで不利に働くのはではないか
    ・入社時期を遅らすことで、身分不確定の期間ができる

    この2点の不安に関して、定期的なコミュニケーションや入社パスを利用した社員との座談会が重要となってくるのではないでしょうか。

この記事を書いた人:サトリエ

サトリエ

東京から関西の大学に進んだ現役就活生のサトリエです。 1年間ヨーロッパ13カ国を1人旅するなど好奇心旺盛。趣味は裁判傍聴とサウナ。無類の珈琲好きです。新卒WATCHインターンを通して、人に伝わる文書の書き方を身につけたいです。