ソー活の次は「LINEで新卒採用」の時代?導入成果を出すための活用方法

新卒watch
こんにちは!インターンのマリナです。

2011年頃に登場した「ソー活」の話題、みなさんは覚えていらっしゃるでしょうか?
ソー活とは、ソーシャルメディアを使った就職・採用活動を指す言葉です。新しい採用スタイルとして有力視されていましたが、数年のうちに下火となってしまいました。

さて、2017年の現在、SNSサービス『LINE』を活用する企業が増えてきています。若年層への普及率が極めて高いサービスで、今後は連絡目的としても導入されていきそうです。
学生の意見や「ソー活」の盛衰も踏まえ、LINEを用いた接触のあり方を改めてご提案したいと思います。

“スマホネイティブ”学生のコミュニケーション事情

DMは読まれていない?情報過多の就活生

採用広報として多くの企業が用いるダイレクトメール(DM)。基本的に学生個人宛てに送られ、形式としては郵送・Eメール・就職ナビサイト上への配信があります。

しかしDMに関しては長らく、効率の悪さが指摘されてきました。というのも、広報解禁となる3〜4月には、どの学生にも多量のDMが送られるためです。

売り手市場が過熱する中で、その数は年々増えています。
18卒学生に3月1日からの1ヶ月間で届いたDMは、全形式合計で平均415通。前年より約90通も増加しました(DISCO社調べ)。
開封率を見るとEメールは49.4%、ナビサイト上では21.6%に留まっています。

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2017年度 キャリタス就職学生モニター調査 4月1日時点の就職活動調査より引用

ナビサイト上に届いたDMの確認には、その都度サイト(アプリ)を開かなければなりません。数日見ないだけで、20・30もの通知が溜まっていることもままあります。
加えて近年の傾向として、学生が志望企業を絞り込む時期は早まっています。DMが積極的に読まれる期間も、従来より短くなっていると考えられます。

就職関連で埋まるEメール受信BOXは、もはや就活生の「あるある」ネタです。必然的に、関心度の高い企業の情報だけを選んで開く、という状況になっています。私の周りでは、通知や配信自体を止める人も少なくありません。
そのため、自社のDMが気付かれないままに埋もれてしまっている可能性があります。

20代の連絡ツールはメールよりLINE

大学生のパソコン所持率は高く、就職活動ではスマートフォンとパソコン両方を使い分ける人がほとんどです。

ただ、プライベートの連絡をEメールで行なっている学生は少数派。PCメール・携帯メールともに、「日常として/なんとなく」というよりは、「目的を持ってわざわざ開く」ツールとなっています。
学生はビジネスメールにも不慣れであるため、メールでのやり取りは志望度の高い企業だけに絞りたい…という感情が生まれてしまうのだと思います。

メールに代わり、学生の主なコミュニケーション・ツールとなっているのがLINEです。
下の調査データでは、よく使う連絡手段として実に9割(87.41%)の学生がLINEを選んでいます。対してEメールは、PC・スマホアドレスを合わせても7.05%です。

近年では友人同士だけでなく、大学のゼミやアルバイトなどでも、LINEのグループ機能が使われています。

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↑STUDENTS LAB 大学生が最も使うPCアドレスはgmail、主な連絡手段はLINEが9割より引用

またSNSとして見ても、20代でのLINE普及率は他の主要SNSを大きく上回っていることが分かります。

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↑総務省 情報白書 平成29年版より引用

採用におけるLINEの活用には、こうした学生の日常生活圏に近付くことで、リーチ率を上げる効果が期待されています。

 
 

「SNS+連絡ツール」だからできる、LINEの活用方法

新卒採用で実施されているLINEの活用例

採用広報としてのLINE利用は、LINE@のLINE公式アカウントを通じて行います。2017年には法人用サービスLINEWORKSがリリースされ、こちらも通常のLINEと連携が可能です。

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Sansan株式会社のLINE@アカウント告知。

これまでには、次のような活用方法が取られています。

・ホーム画面への採用、企業情報の投稿(≒採用サイト、Facebook)
・トークを使った学生個人へのお知らせ配信(≒DM)
・登録者(友だち)限定のイベントや選考の実施
・グループチャット機能を使った相談会、座談会
・内定者SNSとしての利用

 

事例1:Sansan株式会社

新卒採用LINE@:https://page.line.me/aqz2718v
img_1770.jpg
友だち登録をするとトークでのメッセージ配信が開始され、ホーム画面では新着情報を見ることができます。採用アカウントはこうした使われ方が主流です。

事例2:株式会社KDDI

LINE座談会イベントページ(採用サイト内):http://recruit.kddi.com/recruit/events/line/

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kddi2

KDDIでは、グループ機能を使ったチャット形式の座談会を開催しています。場所を選ばず社員との交流ができ、カジュアルな雰囲気も魅力に映ります。
 

LINEを利用するメリット

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こうしたアプローチは他の媒体からもできますが、中でもLINEが一目置かれるのは、やはり学生にとって最も普段使いのツールであるためです。他のSNSと比べても、LINEは「便利さ」を兼ね備えていることが強みといえます。

情報が目に止まりやすい

メッセージ機能とSNS機能を兼ね備えているため、学生は従来メール・企業サイト…と分かれていた情報を、LINEひとつで確認できます。
日常の使用頻度が高いので、通知にもすぐに気が付きます。

カジュアルに交流ができる

LINEのトーク画面では、チャット形式の短文でやり取りが行われます。Eメールのようにルールを意識した文章を作る必要がないので、質問や相談といったちょっとしたコミュニケーションも気軽に取ることができます。
カジュアルさ・手軽さを取り入れることで、学生への接触率を上げることが期待されています。

 
 

アナウンス的な使い方がベター?アカウント開設だけで終わらないためのポイント

さまざまな利点のあるLINEですが、アカウントを開設しただけで効果を得ることは難しいのではないかと、私は考えています。いわゆるSNSと同様に捉えた使い方では、「ソー活」の失敗が繰り返される恐れがあるのではないでしょうか。

「ソー活」の盛衰から考える、SNS活用の落とし穴

「ソー活」が注目された時期、多くの企業がFacebookページやTwitter公式アカウントを開設しました。
しかしSNS自体がいくらポピュラーであっても、まず企業が認知され、関心を得られないことには集客を図れません。
不特定多数へのPRとしては知名度勝負の面が大きく、有名企業以外にとっては二次的なチャネルとなってしまいました。

また「ソー活」では、SNS上で企業と学生の活発なコミュニケーションが生まれることが期待されていました。実際にはネットという公の場で発言する学生は少なく、企業からの一方的な発信に留まるケースがほとんどでした。

LINEでの繋がりも、まず企業の認知がなくては始まりません。
コミュニケーションについても同様で、学生は就職活動における”評価への影響”をとても気にしています。いくらLINEが使い慣れたツールであっても、積極的に交流を図ったり、プライベートの情報を差し出すことへの抵抗が消えるとは考えにくいでしょう。

中小企業でも成果が見込める、オススメの使い方と注意点

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したがって、新卒採用でのLINE活用では、SNSよりも連絡ツールとしての側面を主軸に置くやり方がベターではないかと思います。
私の周りの現役就活生にも意見を聞き、使い方のご提案と注意点をまとめました。

基本はアナウンスとしての情報発信

企業からLINEにメッセージが届くことについて、「受信するだけなら抵抗はない」「興味がある企業ならば登録する」との声がほとんどでした。

そこでご提案したいのが、

・不特定多数ではなく、エントリーした学生を対象とする
・トーク機能は説明会日程等の「アナウンス」として使う

という方法です。

具体的にはナビサイトなどでエントリーした学生に、LINEへの友だち登録を促します。以降はイベントや選考のお知らせを、プッシュメッセージで配信していきます。

普段の利用目的が「連絡ツール」であることを鑑みて、LINEはPRの次の段階、つまり本選考への誘導に適していると思います。まずは「通知をLINEで受け取れる仕組み」を設け、情報の周知率を上げる取り組みから始めてみてはいかがでしょうか。
友だち限定のイベントなどリアルなメリットを設けると、より登録を促すことができそうです。

一般的なメールマガジンと同じく、あまりに頻繁な通知は敬遠されてしまいます。あくまで必要なアナウンスを基本とし、月2~3回の配信が好ましいと思います。

直接コミュニケーションの取り方

次に、学生との相互的コミュニケーションの図り方です。
先述したように、インターネット上での公な発言はあまり期待できません。したがって交流を生むためには、何らかの手順を踏む必要があります。

LINEの機能を活かした方法として、2つのやり方が挙げられます。

1.コミュニケーションの「場」をつくる
ひとつめは、LINE上で学生と交流する機会を設ける方法です。座談会/交流会として参加者を募り、小規模なグループで人事と学生数人を交えたトークを行います。
グループトークというある程度クローズドな場であること、参加学生が複数人いることから、学生側の参加のハードルを下げることができます。

この形式は企業理解・親睦を深める目的だけでなく、本選考前後のフォローの場としても活用できるのではないかと思います。

2.リファラル採用のツールとして用いる
2つめの方法は個別トークによる一対一の交流ですが、これは事前の関係構築が前提となります。
学生にとって自身のアカウントはプライベートの領域であり、基本的には見知った相手との簡単なやり取りに使われます。したがって、まずはインターンなどを通して面識を持ち、学生の了承を得ておくことが必要だと思います。

企業アカウントとは異なり、個人アカウントの交換には抵抗感が強くなります。そのためゼロから関係を構築するよりは、交友関係がベースであるリファラル採用に適した方法です。

社員との個人的なやり取りに対しては、「メールのように見本となるテンプレートが無いため、マナーが分からず怖い」という意見も上がりました。初めは社員側から接触する、答えやすい質問文を投げかけるなどの配慮があると、心理的な不安が減らせると思います。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。