採用は最重要業務!枠にとらわれないPDCAとキーマン参加が武器になる 【NENGO社インタビュー2】

社を挙げての取り組みと徹底したマッチングで、企業理念に叶う採用を果たしている株式会社NENGO。前編では、その採用スタイルの具体的な取り組みをご紹介してきました。

毎週2回の説明会に、毎回社長が登壇するなど、手間も時間も惜しまない姿勢は、同社の採用に対する重要度の高さを示しています。後編ではその背景と想いを、新卒人材の話題を中心に紐解きたいと思います。
今回も引き続き、採用担当・三ツ橋典子さん、代表取締役社長・的場敏行さんへのインタビューをもとにお届けします。

採用の活性化なくして、企業の未来はない

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「採用は会社にとって一番重要な業務。代表が参加するのは当然」と語る的場社長

NENGOが新卒採用を開始したのは15年前。さまざまな試行錯誤を経て、現在の採用スタイルに行き着きました。
候補者との丁寧な対話やオープンな情報提供、またリファラル採用やインターンへの社を挙げた取り組みは、片手間にできるものではありません。

ではなぜここまで採用に力を入れているのか?
——この問いに対する答えは、NENGO社のポリシーである「会社は人」という言葉に尽くされます。

企業の存続・発展はすべて、その組織をする人間にかかっている。つまり人材採用こそ、企業にとって最も重視すべき領域だという、ごく当たり前の考えです。
したがって、代表の積極的な参加は、ロジカルに考えて当然のことでした。

——的場:会社にとって一番重要な仕事を、代表がやらなくてどうするのか、という話です。それに代表が一番、良い人材を連れて来られるはずですから。

採用担当の三ツ橋さんは、この”NENGO流採用”の立役者です。とくに新卒採用は、真っ白なキャンバスである学生とともに、企業の未来を作っていく重要な仕事と捉えています。
三ツ橋さんはまた、人事としてのキャリアを長く積んできた経験から、適切な人材を見極める必要性も強く認識しています。

NENGO流採用を、社長と二人三脚で作り上げてきた採用担当三ツ橋さん

NENGO流採用を、社長と二人三脚で作り上げてきた採用担当三ツ橋さん

——三ツ橋:採用が活性化しなければ企業は停滞しますが、「腐ったミカン」を採ってしまえば企業を悪くする。だからこそ慎重に進めていかねばならないし、採用ハードルを下げることはしません。

採用に「本気で取り組む」ということ

こうした企業方針を持つ同社にとって、採用への注力は最重要業務の一つです。ゆえに的場社長は、「人が採れないという企業には、まず本気でやっているんですか?と聞きたい」と、厳しい言葉を投げかけます。

ビジネスで利益を上げようとする時に、プランなしで臨む企業はありません。戦略を練り、軌道修正を施しながら走り続けることが常です。
採用も本気で行うならば、同じような取り組み方になるはずだ、と言うのです。

的場社長はまた、採用にかかる手間とお金についても、認識の甘い企業が多いのではないかと指摘します。

例えば主力事業部と人事部署、もしくは社員ひとりの雇用と人材サービスの利用。どちらの対においても、かかる費用はパフォーマンスへの対価です。両者の重みは、成果を出すための投資という観点を持つことで同等になります。本気の採用を成す上で、このシビアな観点に基づく判断は不可欠です。

——的場:やっぱりお金を使わなければ、成果って出ないんです。人を動かすのにどれだけお金を使っているかということを、もっときちんと考えるべきではないでしょうか。

新卒採用のカギは、「これから成長していく人材」の発掘

NENGOでは企業理念や、NENGO-ismと呼ばれる行動指針を基準に採用を行なっています。社員と同じこれらの基準に加えて、新卒採用では成長できる余地のある人を求めているとのこと。

自主的な活躍を重んじる同社では、「5年後の独立、もしくは事業部のリーダーになる」という約束をすべての新入社員と交わしています。
そのためにはプライドよりも柔軟性があり、自ら吸収・成長していくような人物、すなわち「成長できる余地のある人」が適切だというわけです。

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ー的場:だから、新卒採用において「現時点で能力が高い人」は別に求めないし、たとえ今レベルが低くてもいい。「いかに成長する人を見つけるか」がカギだと思っています。

新卒社員に対しては入社後、三ツ橋さんと1対1での面談が半年間行われるなど、丁寧なフォロー体制が敷かれています。しかしこうした教育環境を、採用段階で表に出すことはあえてしないと言います。

ー三ツ橋:勝手にどんどん成長していく人材を求める以上、教育や研修は、いっそ無くてもいいくらいに考えています。ですから、そういったことに期待して入ってほしくはないんです。

会社は学びの場ではなく、社会に対してアウトプットしてゆく場。NENGOの一貫性ある発信を、ここでも垣間見ることができます。

学生のためになる気持ちは、必ず伝わる

さて、NENGOの新卒採用はまた、学生のための採用という側面も備えています。

例えば同社の説明会では、自社のアピールとほぼ同じくらい「社会人になる上で役立つ話」に時間が割かれます。そのため、選考に進むかどうかに関わらず、参加したことで収穫を得られる内容となっているのです。「今日、行ってよかったな」。シンプルにそう思うことができる会社説明会は少ないだけに、学生にとっては嬉しく、また印象強く残ります。

的場社長はたびたび大学での講演も行なっており、そこでも同じような内容で話をしています。講演は毎回好評で、学生からは「不動産業界への見方が変わった、関心が高まった」という声が上がります。

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ー的場:せっかく時間を使って来てくれるのだから、何かしら学生に対して貢献したい。もちろん学生にも、NENGOのために採用に臨んでほしい。お互いのためになるという姿勢が、大切だと考えています。

「相手のために」という想いは学生に伝わり、返ってくる。的場社長はそう確信しています。実際、自社宣伝をメインコンテンツにしにくい大学講演であっても、数人の学生が日を置かず選考を受けに来ると言います。説明会の出席者の中にも、友人のクチコミがきっかけで参加した、という人が増えてきているそうです。

日本一就職したい会社へ。業界変革への願い

NENGOでは専門家と提携した介護サポートや、『離婚休暇』といったユニークな社内制度を設けており、メディアにも度々取り上げられています。
こうした制度や評価体制の定期的な見直しも含め、「社員の幸せ」を考えた取り組みは、的場社長が率先して行っているものです。

——的場:私は基本的に、スタッフを一番幸せにするために存在している人間。だから、私が打つ策というのはすべて、社員が幸せになるための策です。

NENGOのHPには、経営者目標として〈日本一就職したい会社になる〉という一文が掲げられています。

日本一就職したい会社。それは規模でも、給与水準だけでもなく、「働きがい」によってもたらされる社員の幸せを指した言葉です。相手の「ありがとう」をモチベーションとする志は、そのまま同社の理念となっています。

この目標には、実は的場社長の「不動産業界を変えたい」という願いを込めているのだと言います。
ホテル業界で経歴を積んだ的場社長は、不動産・建築業界におけるホスピタリティ精神の普及を訴えています。働きがいのある会社づくりは、同社理念の体現でありながら、業界変革の第一歩でもあるのです。

——的場:ウチが特別働きがいのある会社になれば、業界全体も変えられるかもしれない。日本一就職したい会社なら、みんなが幸せになれる可能性が大きいと思うんです。

NENGOの採用活動は、単なる採用活動と同時に上記のビジョンを表明する広報の役割も果たしています。
「学生のためになる行動」は、まさに『目の前の人を幸せにする』企業理念に則ったものです。
また、理念への共感を慎重に図ってゆく採用過程は、候補者を選び抜くためだけの措置ではありません。今いる社員に対して、そして世間に対して、NENGOの歩む先を示すメッセージとなっています。

企業ブランディングの一環だからこそ、自社の人材獲得という目的を越え「学生のために」。この広い視座こそが、同社の採用を差別化し、企業成長に繋げているのではないかと思います。

取材を終えてーNENGOの採用が、学生にとって「嬉しい」理由

新卒採用において学生が抱く迷い・不安は、企業との縁を阻む壁であり、ミスマッチの要因のひとつです。私はそのほとんどが、「初めて社会に出る」立場に起因すると考えています。どんなキャリアを歩みたいのか、どんな環境ならば自分に合うのか。学生はこれらの判断を、社会経験に基づいて行うことはできません。情報を頼りに、手探りで進めていくことになります。
NENGOの新卒採用は、学生特有のこの立場を把握した上で行われていると思います。
行ってよかった、お話を聞くことができて「ためになった」——本文中でも使用したこの言葉は、取材を通して感じた私の正直な気持ちです。
本音を語り、対等な目線で向き合ってくれること。就社ではなく、就職という意識を与えてくれること。学生と社会人の狭間にある就活生にとって、企業側のこうした姿勢は何よりの励みとなります。
また、学生の漠然とした不安がクリアになれば、知名度や給与とは異なる自社の魅力も、より伝わりやすくなるのではないでしょうか。

この記事を書いた人:マリナ

マリナ

都内大学で政治学を専攻しながら、新卒WATCHインターンに参加。 よい情報を選ぶ目と、わかりやすくお伝えする力を養えるよう、日々勉強中です。美味しいものが好きな万年ダイエッター。